中村先生の講演内容を分かりやすく書き直しました。
高脂血症とはなにか、その食事療法、薬物療法について、実際的な話をしましょう。

◎高脂血症とは‥
1.総コレステロール        220mg/dl以上
2.LDL-コレステロール       150mg/dl以上
3.トリグリセライド(中性脂肪)  150mg/dl以上
4.HDL-コレステロール        40mg/dl以上
この値を超えると動脈硬化が進み、脳血管障害などがおこりやすくなります。ですから治療が必要になって来ます。

◎高脂血症の治療には‥
食事療法・運動療法・薬物療法があります。血液中の脂肪の濃度を下げることが大切ですが、同時に血液中の脂肪の質の変化にも注意することが、必要です。

◎食事療法が治療の基本です。
コレステロールが高い時体重を1ヶ月1kg減少させる事を目標とします。
1.食べ物全体の量を減らす
2.脂肪分を減らす! 室温で固まっている脂肪を減らし、液状の脂肪を増やす。
3.コレステロール量を減らす‥魚の内臓に注意
4.植物繊維を多くとる。
5.ビタミンE、β-カロチンを多くとる。

中性脂肪の多い時
1.食べ物全体の量を減らす
2.甘い物を減らす。
3.アルコールを減らす。
4.魚油、植物油を増やす。

◎運動療法‥食事療法にプラスすると効果的
速歩きがもっとも適当
1日 3kmを30〜40分
週 20kmを目標
コンディションの悪い時は休む。
強い運動をすると脂肪の酸化変性が起こりやすいので、ビタミンE、β-カロチンをとる必要がある。

◎薬物療法
食事療法、運動療法で効果が十分でないときに行う。
いろいろな種類の薬物があるので、その人に合わせ、検査をしながら使う。

◎高脂血症の治療は延命に効果ある
治療を行うことで、寿命を3〜4年は延長することが、わかっている。血中の脂肪の酸化変性を防ぐ対策(ビタミンE、β-カロチンをとる)が大切だ。