・骨粗鬆症になると背中が曲がってきます。
骨粗鬆症は骨がスカスカになって弱くなってしまう病気ですので背骨におこりますと、一部つぶれてしまいます。そうすると背中が円くなり、身長も縮んでしまいます。

・背中が円くなると、胸が圧迫され、呼吸も十分できなくなり息切れがおこりやすくなります。また、胃も圧されて胃の内容が食道に戻ってきて、逆流性食道炎をおこしやすくなります。逆流性食道炎は胸やけや上腹痛を起します。こういうことになると、食事量も少なくなりその人の生活能力が下がってきてしまいます。

骨折が起こります。
骨がスカスカになってしまうので、ちょっと転んでも骨折するようなことになります。骨折をしてしまいますとまたまた生活能力が下がってしまいます。

・骨の中のカルシウムが減って骨粗鬆症になります。
人の体内の骨の量は、二十才頃に最大となり以後少しずつ減ってきます。女性の場合二十才頃の骨量が男性より少なく、閉経期になり、女性ホルモンの量が減ると、このカルシウム量は急激に減少します。

・食事でカルシウムをとりましょう。
日本人の食事で唯一不足しているのはカルシウムです。カルシウムは乳製品、大豆製品、小魚、緑黄色野菜、海草などに多く含まれます。

・運動をしましょう。
骨には、荷重力がかっていることが必要です。 適度な運動で骨が刺激されると、体内に入ったカルシウムが有効に使われ、骨量がふえます。

・日光浴も必要です。
カルシウムの吸収に欠かせない、ビタミンDは、人間の皮膚が日光の紫外線を浴びることでつくられます。 くすりもあります。 カルシウム剤、ビタミンD剤などあります。

・骨折予防が大切です。
転倒による、骨折を防ぐことが大切です。 老人の歩くところの段差を少なくすること、運動により筋肉の力を保ったり、バランスを良くしたりすることも大切です。転んでも骨折しないよう、おむつのようなヒップパッドもあります。

・骨粗鬆症対策はそのまま健康保持の対策になります。
食事で乳製品、大豆製品、小魚、緑黄色野菜、海草などをよく摂り、運動をして、日光浴をするということは、すべて人の健康保持につながります。

林 泰史

東京都老人医療センター院長